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新自由主義は市場という神の手に任せればすべては上手く行くという、根拠の不確かな信念から成り立っている。その中の主要となる理論の一つにトリクルダウン理論というものある。

ウィキペディアから引用すると
『富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透(トリクルダウン)するという経済理論
あるいは経済思想である。「金持ちを儲けさせれば貧乏人もおこぼれに与れる」ということ
から、「おこぼれ経済」とも通称される。現状では、マクロレベルでのパイの拡大が、
貧困層の経済状況を改善につながることを裏付ける有力な研究は存在しないことから
「トリクルダウン仮説」とも呼ばれる。』
そしてこの延長上に小さな政府論がある。

主流派の経済学者たちはこの理論を前提にしている。金融政策で経済の調整が済めば
時間(機会コスト)も手間(政策コスト)もかからず、政府を大きくする必要もないというところだろう。
末端の国民一般は富の雫がこぼれ落ちて来るのを気長に待てばいいという事になる。
ところが、問題なのは日本の名目GDPがこの15年、全く成長していない事にある。

一般に、経済成長は穏やかなインフレ下で実現している。
これは多くの国がインフレであり、金融政策によりインフレを穏やかにして、成長が継続して来た
という歴史的な事実がある。一方、デフレ下の日本一国が成長しなかったのだからこの主張は
妥当性が高い。だからデフレからは脱却しなけばならなくなる。
しかし現在のデフレ不況は伝統的な金融政策では解消困難で、非伝統的な手法へ踏み込み、
それでも足りなくて、大幅な財政政策をも主張するのが、昨今の経済学者の傾向だ。
まあ、規制緩和(構造改革)すれば経済は成長するなどという一部のトンデモ識者は、この際、
無視する事にする。

しかし、その政策のつけである増税や、上層から雫が落ちてくるまで収入減による経済苦で
より苦しむのは下層の国民だ。
一方、金融の緩和でバブルが生じ、富をより多く築けるのは上層で、バブルが破裂すれば税金で、
より救済されるのも上層という事になる。
この事実を無視して、国民一般が金融を含む経済政策に無関心すぎる、と嘆く識者が多いが
余りにもナイーブ過ぎるのではないか。

南米社会を見ると、平等化政策を進め、国民一般の所得を増やし、その結果起きるインフレを
金融政策や民営化で調整するという方向だ。これは、主は国民の生活にあり、経済政策は従で
あるという当たり前の考え方から来ている。
増して、日本の場合、有り余る供給力があるので、国民の労働報酬を上げた所で中々需要不足は
引き起こせない。つまり、日本には国民の権利を拡大し、労働報酬を増やす余地が充分にある事
がわかる。そして、これが内需拡大を起こす前提になる。

結局、国民の生活を重視するという当たり前の事を忘れているから、経済政策をひねり回し、
問題の解決が難しくなる。

我々は当たり前の事をするべきで、神の雫なんていらないのだ。



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