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よその国と日本を比べると思わぬ発見があり参考になる。
前記事で紹介した小倉さんが今度はアルゼンチン経済に言及していた。

南米では90年にかけてIMFにより自由化政策が要求され、社会に大きな
混乱を生じ、近年、左翼政権が続々誕生している事は私も知っていた。
さらに小倉さんの記事に触発された私は、ネットで調べてみる事にした。

「南米は左翼政権だらけ」によればコロンビアとパラグアイを除く全ての政権が
左派(中道左派を含む)政権になっている。(08年2月時点)
また、昨年の8月にはパラグアイでも中道左派政権ができていた。
新自由主義の弊害に苦しむ日本にとっては南米社会の経験は優れた教訓に
なる事を確信できた。

アルゼンチンの歴史
アルゼンチンの経済・産業
アルゼンチン経済の復活は本物か?

上記をもとに私なりに考えてみた。

アルゼンチンは元々、大西洋貿易の拠点であるブエノスアイレス港を中心に栄えた
商業国であった。その担い手が開拓を進め農産物の輸出国となっていく。
また、その過程で発見された鉱物資源も国を豊かにしている。
商業国の性格を持つので、早いうちから中間層が形成されて、46年にはエビータ
で有名なベロン政権(穏健な社会主義)ができている。

76年以降は経済の悪化とともに軍事政権ができ、自由化政策を進めるがうまくいかず、
82年のフォークランド戦争で英国に敗れ累積債務危機に陥り、民政政権に移行した。
それ以後はハイパーインフレ対策に苦慮し、自由化政策をすすめながら、91年ペソを
ドルに1対1に固定しようやく、高インフレが終局した。
80年代が平均-0.3%成長の失われた10年とすれば、90年代は相変わらずインフレには
苦しめられるたものの90年前半の経済成長率は高かった。
それが95年には緊縮財政と高金利で-3%に急落し、その後2002年には通貨危機で
-11%成長という危機を迎えた。

その後、変動相場制に移行すると共に独自の金融政策を実施できるようになり、
経済は回復し5年連続8%代の成長をしている。
変動相場制移行と共に輸出が好調になったのが契機にはなった。
しかし、輸入額は輸出額(需要寄与度の10%)の倍以上を占める。
アルゼンチン経済の牽引役は個人消費(寄与度の50%以上)を中心とする内需である。

次にIMFの関わりを見てみる。
ジョセフ・E・スティグリッツ 「格差社会」解消の処方箋
IMF独立政策評価室レポートへのアルゼンチン政府のコメントについて
アルゼンチン-経済危機とマクロ経済安定化への道のり-*

95年の緊縮財政、高金利による経済危機から02年の通貨危機までの経済運営は
IMFの強い関与によって齎せられたとアルゼンチン側では主張している。
財政赤字に対して、緊縮財政政策はIMFの常套手段だからこれは同意できる。
ここで、話が外れるが日本の民主党の緊縮財政、高金利志向が私は気になっている。
増してや増税派の与謝野大臣の権限の拡大は日本経済にとって、非常に拙いと思っている。

話を戻す。スティグリッツは中国、インド両国がグローバリズムにうまく対応できたと
言っている。これは巧みに国を閉ざし、教育とテクノロジーに長期間、莫大な投資が
できた事と短期資本の移動を禁じた事を挙げている。
IMFは性急に貿易の自由化を迫るから、対象国は産業育成の猶予を与えられない事が
多い。また、通貨危機は短期資本によってもたらせられたのだから、アルゼンチン側の
主張に妥当性がある。

また、2000年からはIMFはモラルハザードを招くと積極支援を止め、アルゼンチン政府
に大幅に関与した。IMFはしばしば判断を誤り、アルゼンチン政府はIMFの判断ミスの
つけも払うはめになった。
なお、07年にはIMF(ワシントン・コンセンサス)支配からの脱却をはかり、ベネズエラ、
アルゼンチン両国主導、その他5カ国による開発銀行が設立された。

結論として日本と見比べると、雇用問題に限らず、さまざまな教訓が得られる。
輸出のGDPに寄与する日本の割合は、近年増えたと言っても17%前後である。
ところが近年の政府政策を見ると、国際競争力を最優先する余り、内需を軽んじている。
これは日銀による不作為や、財務省の緊縮財政志向と合わさって内需の成長を抑制し、
デフレ脱却を阻害していた。
《同時にこれを対外的に判断すれば、ダンピング(労働報酬)、減税(国による再配分つまり
は補助金)した製品の輸出で他の国の労働者の報酬を引き下げている事になる。》

今、日銀のゼロ金利解除とともに景気は悪化し、アメリカ発の金融恐慌が追い討ちした。
そのような流れの中で、さらに内需を悪化させる雇用の規制緩和は有害である。
また、各国とも純債務額(祖債務ー金融資産)で判断しているのに、財務省が徒に祖債務
額を宣伝し、財政危機を煽っている。
その上で、財務省が緊縮財政あるいは増税を行おうとするは日本経済の健全な成長を
阻害する行為と言える。

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