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不景気の進行と共に、正社員と非正規社員の格差が話題になり始めている。
規制緩和派から見れば不景気の中での非正規の正社員化は困難なのだから、
正規と非正規間の障壁を取り払い平均化すれば、総体としての雇用が守れるという主張になる。
そして、その時障害になるのが、最高裁判決までに積み上がった法解釈(正社員の権利保護)
という事になる。確かに、ここには一面の真理がある。
しかし、今の日本で雇用の規制緩和が行われた場合、どのような結果がもたらせられるのかは、
熟慮すべき問題だ。

丁度、そんな時に弁護士の小倉秀夫さんのブログでチリの話がふれられていた。
http://benli.cocolog-nifty.com/la_causette/2009/02/post-d9ce.html

チリ経済は日本の行く末を考える際に参考になる。
ピノチェト軍事政権が強権のもと、フリードマンの弟子たちに規制緩和を急速に行わせたからだ。
これを参考にサッチャーやレーガンが供給側を強化する政策を行ったという話で、
チリ経済は新自由主義の母といえる。

そこで私もネットで妥当な資料をさがした。
チリの歴史
チリにおける長期経済成長 マヌエル・マルファン
上記をもとに私なりに考察したのが以下だ。

73年以前のアジェンデ政権の功績
農地改革の確立と銅産業の国営化が挙げられる。
解放で自作農が大量に誕生する事により市場の担い手が増え、市場化が進んだ。
これは農地解放が遅遅として進まないフィリピン経済と対比すれば明らかになる。
また、米の企業からチリの鉱山を国営化する事により、国から国民への再配分が適切に進んだ。
他の産業でも国営化により労賃を引き上げ、遊休施設を利用し工業生産を拡大した。

73年以降のピノチェト政権の功績
アジェンデ政権で労賃を上げ、また輸入代替工業(つまりは輸入品よりも高コスト)が
主であった為に、供給量が充分ではなく必然的にインフレが進んだ。
その対策としてシカゴ学徒による構造改革(規制緩和、関税の引き下げ)の方向性は正しい。
規制を外し資源(労働を含む)の最適配分を行えば生産量が高まる。
しかし、その手順及び拙速さにおいては妥当性が高くない。
インフレは収まったものの失業(輸入による失業)は増え、経済成長も以前の半分の2%台になった。
また景気がよくなってきた80年前半に大きく減税(おそらくは供給側)を行ったが機能せず、
貧富の差を拡大し貧困率が40%になった。
ピノチェト政権以降
国民の権利が拡大され、結果として国民貯蓄が3倍に膨らんだ。
なお民営化は銅産業以外は90年代にも続けられている。
また、民営化と言っても経営権だけを競売にかける手法だ。
この辺は日本も参考にすれば、不透明な資産の売却は行われなかったと思う。

上記から得られる教訓は労働総報酬を増やし、それに応じる生産力がないとインフレになる。
それと、供給不足によるインフレ時には規制緩和は有効だが、手順の熟慮は必要という事だ。
ところが日本のように生産力が高い国では労働総報酬を増やしても問題は少ないと思われる。
また、需要不足によるデフレの深化がはじまっているわが国で、雇用の規制をはずせば、
労働総報酬の減少による内需減となる。
その結果、デフレスパイラルを引き起こしてしまう可能性が高い。
結局、雇用をいじる前に景気対策が先決という事になる。
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